秋は「取り入れる」と「手放す」の季節――肺と大腸の養生
「暑さも寒さも彼岸まで」
土用が終わり、暦の上では秋になりましたが、まだまだ暑い日が続いています。
今年のお彼岸は9月20日~26日。
あともう少しといったところでしょうか。
さてさて五行では、
* 春=木
* 夏=火
* 秋=金
* 冬=水
* 季節の変わり目=土
というように、それぞれの季節に異なる性質がありますが、
秋に「金」に対応する臓器が、**肺・大腸**です。
肺と大腸は、肉体的には直接つながっているわけではありませんが、中医学では「金」という同じグループに属し、取り入れるものと、不要になったものを外へ出すという働きを担っています。
肺は呼吸によって、外界から「清気」を取り込みます。
そして、取り込んだ清気と、食べ物から得られたものが合わさって、私たちの身体を動かす「気」のもとになります。
一方、大腸は、身体に必要なものを取り入れたあとに残ったものを、便として外へ出す場所。
つまり秋は、
「取り入れる」と「手放す」
という身体のサイクルを意識する季節、と考えることができます。
また秋になると、夏の湿気や暑さが少しずつ去り、空気が乾燥してきます。
中医学では、秋は「燥」の影響を受けやすい季節。
特に肺は乾燥に弱いとされているので、秋の養生では**「潤いを守ること」**が大切になります。
夏の間は汗をたくさんかき、身体の水分も消耗しています。
そこへ秋の乾燥が加わると、
「喉が乾く」
「空咳が出る」
「肌が乾燥する」
など、乾燥による不調が出やすくなります。
ちなみに皮膚は「第3の肺」とみなされるんですって。
だから秋は、ただ「不要なものを出す」だけではなく、
潤いを保ちながら、必要なものを取り入れ、不要なものを手放していく。
そんな身体のバランスを整えていく季節なのだと考えます。
ヨガで整える「肺」と「大腸」
経絡を意識したヨガでは、秋に関係の深い肺経・大腸経に働きかけるために、胸まわりを開き、肩や肩甲骨をゆるめるポーズを取り入れます。
胸郭が広がると呼吸もしやすくなり、ゆったりとした呼吸は、夏の間に外へ外へと発散していた意識を、少しずつ自分の内側へ戻してくれます。
秋は、乾燥によって「潤い」が不足しやすい季節。
しっかり呼吸をしながら、潤いと巡りを整える。
そんな秋の身体づくりを、ヨガでお手伝いしていきたいと思います。
メディシナルアロマという視点
メディシナルアロマでは、精油を単に香りとして楽しむのではなく、精油に含まれる成分の薬理作用に着目し、植物油などで希釈して皮膚に塗布することで、身体のケアに用います。
秋の呼吸器のケアに用いられる精油として、シダーやサイプレスなどがあります。
どちらもヒノキ科の植物。
大木が、土から水分や栄養を吸い上げ、枝葉の先まで届けていくように、植物には「下から上へと運ぶ力」があります。
その植物が持つ力を精油として利用し、身体の巡りを整えるために役立てる。
植物の持つ力と、人体の働きが響き合うようで、自然の素晴らしさを感じます。
秋は、ただ「不要なものを出す」のではなく、潤いを保ちながら、必要なものを取り入れ、不要なものを手放していく季節。
そんな秋の身体の変化に合わせて、メディシナルアロマを取り入れるのもひとつの方法です。
調香から見る秋の香り
一方、調香は「香りそのもの」を楽しむ世界です。
秋の香りとして、すっきりとした清涼感のある香りを取り入れることがあります。
例えば、
ユーカリ
ティートリー
など。
ユーカリやティートリーの、鼻をすっと通り抜けるような清々しい香りは、秋の空気にもよく似合います。
季節の変わり目は、乾燥や急激な気温の変化などから、身体の調子を崩しやすい時期。
そんなとき、香りを意識的に取り入れることで、気持ちを切り替えたり、頭の中をすっきりさせたりする時間をつくることができます。
中医学では、肺は「気」と深い関わりを持つ臓器です。
呼吸が浅くなったり、身体が重く感じたりすると、なんとなく頭の中までぼんやりしてしまうことがあります。
そんなときには、
深い呼吸と、清々しい香り。
香りを胸いっぱいに吸い込むように、秋の空気を身体に取り入れてみましょう。
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